OMOを始められないのには理由があった(後編):OMOに取り組むための初手とは?
  • OMO
  • OMO

OMOを始められないのには理由があった(後編):OMOに取り組むための初手とは?

オンラインとオフラインを融合することで、顧客体験を高め、売上を最大化させるためのOMO(Online Merges Offline)。OMOに取り組むアパレル企業が増えている一方で「何から取り組めば良いか分からない」といった悩みを抱える企業も少なくありません。そこで、OMOに取り組む企業がつまずきやすいポイントと、OMOの始め方について前編・後編に分けて解説していきます。後編となる本稿では前編で取り上げた「OMOでつまずきやすい要因」をもとに、OMOを始めるには何から取り組むべきかについてお話していきます。

結局、OMOを始めるには何から取り組むべきか?

前編では5つの要因を取り上げましたが、それを全てクリアしてからでないとOMOを始められないということではありません。OMOを推進するにあたって、この要因を乗り越えるため、何を初手としたら良いか、事例をふまえて本稿ではお話していきたいと思います。

1.全社横断での会議体を設置

1つ目のポイントは、OMOを推進するための会議体を作ることです。OMOは社内のさまざまな部署が関わります。特定の部署のメンバーだけでOMOを推進するのではなく、テーマごとに部署を横断した会議体を立ち上げると良いでしょう。

ECだけでなく、販売部門やシステム部門、マーケティング部門、店舗スタッフ、物流など各部門のスペシャリストを集めて、横串で会議体を設けることで、目的を明確にし、意思の統一が図れるだけでなく、それぞれの角度での見え方、意見なども集約させることでシステムや業務設計に活かすことができます。また、OMOに付随した課題に応じ、テーマごとに会議体を設置し、そのテーマを深掘りして話し合うことで、自分たちが進む次の姿を描きやすくなります。

なお、これらプロジェクトをまとめるにあたってはプロジェクトマネージャーが必要です。
前編で挙げた5つ目の課題にもあるように、OMOを牽引するためのプロジェクトマネージャーの育成も同時に検討していく必要があります。

~事例のご紹介~
弊社のお客さまであるアパレルメーカーのゴールドウインさまは、実店舗とECの融合を進めていく上で、「オムニ会議」と題する全社横串の会議体を作って業務を推進しました。
テーマごとに会議体を立ち上げ、関連する部署のスタッフを招集。店舗の店長やフタッフ、EC部門の担当者、マーケティング部門、法務部門など、部署の垣根を取り払って幅広いメンバーが参加し、さまざまな角度から意見を出し合うことで、全社でOMOに取り組んでいます。

コロナ禍でも過去最高益に並ぶ利益確保。進化し続けるブランドのEC変革を探る

2.スモールスタートで考える

OMOには全社横断で、というお話をしましたが、全社横断だからと言って、全社のありとあらゆるブランドと店舗で一斉に始める必要はなく、まずはスモールスタートで始めてみることをお勧めします。

対象となる店舗を限定する、1つのブランドだけを対象にするなど、小さな取り組みから始めて、自社にとってのOMOの成功体験を積み上げていくと良いでしょう。

OMOは、最初から完全な形でスタートしようとすると、やるべきことが多岐にわたり、初期投資も膨らむため、かえって踏み出しにくくなってしまいます。例えば、複数のブランドや店舗を運営しているような、事業規模がある程度大きい企業では、部署ごとの利害調整なども必要になりますし、既存のビジネスが上手くいっている企業ほど、OMOという新しい取り組みを社内に浸透させるのに時間がかかるでしょう。いきなりすべてのブランドを対象にすると、店舗やブランドそれぞれのやり方や考え方が衝突し、プロジェクトの進行が遅くなるリスクがあります。さまざまなシステム投資も必要ですし、店舗スタッフや倉庫スタッフなどの業務フローも見直す必要があるため、いきなり大規模に行うと社内が混乱しかねません。

こうしたリスクを避けるために、まずは1つのブランドで開始し、店舗数も絞り込む。成功の手応えを掴んだらスケールアップしていく。失敗したと思ったら方向転換する。それを繰り返しながらOMOを広げていくのが、今の時代に合ったやり方ではないでしょうか。

~事例の紹介~
スモールスタートでOMOの推進に成功した、アルページュ様の事例をご紹介します。OMOを開始する際に、新たに立ち上げるブランドに限定して実施しました。新ブランドでOMOの試験運用に成功したのち、今ではその取り組みを広げています。

アルページュが取り組む 顧客体験価値の作り方 ~コンテンツ強化と在庫一元化でOMOを推進~

まとめ

本稿では、OMOでつまずきやすいポイントを解説するとともに、それらを踏まえて、OMOに取り組む初手を考えるためのポイントをお伝えしました。
社内の組織を横串でつなぐ会議体を設置し、業務設計や全体最適に備え、社内組織を横断したプロジェクトとしてOMOを推進し、実施にあたっては導入する店舗数やブランドなどを絞り、テストケースとして始めて、うまくいったらスケールアウトしていく。その際、パッケージ化されたOMOソリューションを活用し、初期費用やランニングコストを抑えることも重要です。

AMSではOMOを始めるための様々なソリューションをご用意しています。
これからOMOを始めたい方、すでに始めているが課題をお持ちの方、ぜひAMSまでお気軽にお問い合わせください。

SERVICEサービス紹介

AMSではOMOに特化したソリューションをご用意しています。データ統合や在庫一元管理など、EC・店舗・モールを連携し、売上と顧客体験の向上を実現します。

支援ブランド350超の実績から
貴社の課題解決をサポートします。
まずはお気軽にご相談ください。

まずは相談する
まずは相談するまずは相談する

まずは相談する