自社EC・ZOZO・実店舗の在庫を一元化!マークスタイラーがEC化率50%に伸ばした舞台裏
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自社EC・ZOZO・実店舗の在庫を一元化!マークスタイラーがEC化率50%に伸ばした舞台裏

MARK STYLER株式会社

MARK STYLER株式会社

EC本部 本部長
北島 健一 様

「MERCURYDUO」「UN3D.」「dazzlin」など15のアパレルブランドを展開しているMARK STYLER株式会社。全国で110店舗以上の直営店を展開しながら、公式オンラインショップ「RUNWAY channel」を軸にEC化率を約50%に伸ばすなど、店舗とECの両輪でファンを増やしています。 「RUNWAY channel」とZOZOTOWN、実店舗などの在庫を一元化し、OMOも推進しているマークスタイラーのEC戦略について、EC本部 本部長 北島健一様にお話をうかがいました。

拡大を続けるEC事業 これまでの経緯と運営体制

古田:まずは、マークスタイラーが手がけているEC事業の現状について教えてください。

北島様:公式オンラインショップ「RUNWAY channel(ランウェイチャンネル)」を軸にEC事業を展開しています。現在のEC化率は約50%で、直近5年でEC売上高は約1.4倍に拡大しました。EC売上高の大半は「RUNWAY channel」とZOZOTOWNになります。

すべてのブランドを集約した公式オンラインショップ「RUNWAY channel(ランウェイチャンネル)」を2011年にオープンした。ECサイトの構築・運用はAMSが行っている。

古田:EC事業の運営は、どのような体制で行っているのでしょうか。

北島様:「RUNWAY channel」を立ち上げた当初は、ECサイトの構築や運営、ささげ、物流など、ほぼすべての業務をAMSに委託していましたが、EC事業の成長に伴い、最適な運営体制を模索する中で、ささげなど一部業務は内製化しました。そして、2019年にZOZOの物流代行サービスFulfillment by ZOZO(以下、FBZ)を導入し、入出庫や在庫保管、出荷、返品対応などを委託しています。

古田:OMOについてはいかがですか?

北島様:店舗の販売形態として「客注オーダー」を2020年7月に導入し、実店舗とECの在庫を連携しました。

客注オーダーとは、店舗に在庫がないとき、ECの在庫を引き当てて販売するサービスです。店頭のタブレット端末で注文や決済を行い、商品をお客さまのご自宅などに直送します。客注オーダーを開始するにあたって、AMSのOMOソリューション「PRAMS ORDER」を導入しています。実店舗とECの在庫をバーチャルで連携し、OMOの第一歩を踏み出すことができました。

2023年5月からは、「PRAMS ORDER」を活用して取り置き予約も試験的に運用しています。現在は対象店舗を限定していますが、今後は全店舗に拡大する計画です。アパレル業界の市場環境やお客さまのニーズを踏まえ、OMOを推進していきます。

自社EC・ZOZO・店舗の在庫一元化でECの売上成長が加速

古田:近年、EC事業の成長が目覚ましいですね。要因をどのように分析していますか?

北島様:さまざまな施策を打ってきた結果だと考えていますが、特に大きな要因は、ECサイトや店舗の在庫を一元化したことです。在庫の偏在による売り逃しが減り、EC売上高の底上げにつながりました。

古田:具体的に、どのような取り組みを進めてきたのでしょうか。

北島様:2019年にFBZを導入し、自社ECサイトやZOZOTOWN、他のECサイトの在庫を一元化しました。それ以前はECサイトごとに在庫を確保していたため、「RUNWAY channel」には在庫があるのにZOZOTOWNでは欠品しているといったケースが頻発し、機会損失が発生していました。

EC在庫を一元化した結果、機会損失を削減できました。そして、ECサイトの欠品が減ったことで、お客さまにとっての利便性も高まったと思います。

古田:2020年に客注オーダーの「PRAMS ORDER」を導入し、店舗とECの在庫を統合したことも、EC売上高の拡大につながっていますか。

北島様:もちろんです。店舗の在庫がなくなった場合、EC在庫を販売することで、機会損失を削減できています。2022年は客注オーダーでの販売金額が、年間で数億円規模まで拡大しました。

RUNWAY channelのFBZ連携をAMSが支援

古田:在庫の一元化を進める上で、どのような課題がありましたか?

北島様:「RUNWAY channel」をFBZと連携する際に、商品データや受注データなどをシームレスに接続するには、「RUNWAY channel」のECシステムをカスタマイズする必要がありました。

例えば、「RUNWAY channel」では入庫前の新商品の予約注文を受けているのですが、FBZの標準仕様では、入庫前の商品に注文データを引き当てることができません。

その課題をクリアするために、新商品の在庫が未入庫の状態でも予約を受けられるように、AMSにECシステムをカスタマイズしていただきました。予約販売は重要なサービスですので、実現していただいたAMSに感謝しています。

古田:そうおっしゃっていただけて、何よりです。

北島様:また、FBZと「RUNWAY channel」を連携する上で、画像アップロードの問題もありました。

FBZは通常、ZOZOBASEで撮影した写真をZOZOTOWNと自社ECサイトに共通で使用するのですが、弊社は「RUNWAY channel」とZOZOTOWNで異なる画像もアップできるようにしたかったので、AMSにシステムを組んでいただきました。

これにより、ECサイトごとの商品の売れ行きに合わせて画像を差し替えるなど、売り上げを伸ばすための柔軟なコンテンツ管理が可能になりました。

古田:弊社はFBZと柔軟に連携できる、ほぼ唯一のECシステムベンダーだと自負しています。マークスタイラー様のシステム開発においても、ZOZOさんと緊密にコミュニケーションをとりながら、システム要件を設計しました。

「RUNWAY channel」は商品写真やスタッフコーディネートなどを多数掲載し、販売状況に合わせて画像を更新するなど、柔軟なコンテンツ管理を実現している。

マークスタイラーのEC事業にAMSが伴走

古田:マークスタイラー様とは、2011年からのお付き合いですね。あらためて、弊社に対する率直な感想をお聞かせいただけますか?

北島様:AMSには「RUNWAY channel」の立ち上げから始まり、2014年にオープンしたアウトレットサイトのほか、「UN3D.」や「ELENDEEK」といった一部ブランドのECサイトの構築と運用まで、幅広くもサポートしていただいています。率直に言って、弊社のEC事業はAMSがいなければ成り立ちません。

2014年に弊社がEC事業の一部業務を内製化した際に、AMSのECシステムを一旦解約したこともありました。しかし、AMSのECシステムはカスタマイズの自由度が高いことだけでなく、徹底したサポート体制や支援もあり、2017年に再びAMSに戻しています。自社ECとECモール、実店舗の在庫一元化は、AMSのお力添えがあったからこそ実現できました。これからも、よきパートナーとして弊社のEC事業を支えていただきたいです。

OMOの鍵は店舗スタッフを巻き込む“人事評価”

古田:2023年以降のEC戦略を、どのように描いていますか。

北島様:大きな方向性としては、OMOの推進です。

これまでにECサイトの在庫を一元化し、店舗とECの在庫連携も実現しました。近々、全店舗を対象とした在庫の取り置きサービスをECサイトに実装する計画です。

古田:OMOを推進するには、ブランドのディレクターさんや店長さん、販売スタッフさんなど店舗側の協力も欠かせませんね。社内の協力を得るために、どのようなことを心がけていますか?

北島様:ECへの貢献度を可視化し、評価する仕組みを作ってきました。

例えば、ECサイトで商品が売れたらブランドの売上高として集計していますし、客注オーダーの売り上げも店舗の売上高として計上しています。オンラインでの売り上げが店舗の実績になるため、ブランドのディレクターや店舗スタッフは自然とECに協力的になります。

また、弊社はZOZOが提供しているデジタル接客ツール「FAANs」を使い、店舗スタッフがコーディネートを投稿すると、自社ECサイトとZOZOTOWNに一括アップロードできるようにしています。店舗スタッフが投稿したコーディネートを経緯して商品が売れたら、スタッフの人事評価に反映します。

ECサイトの販売実績を店舗側にフィードバックする評価制度は、「RUNWAY channel」を立ち上げた2011年当時から取り入れてきました。OMOを推進するには、店舗側のスタッフがモチベーションを高く保てるような環境づくりが、とても大切だと考えています。

店舗スタッフのコーディネートは「RUNWAY channel」の重要なコンテンツ。「FAANs」を使って投稿を管理している。コーディネートを経由して商品が売れた場合、店舗スタッフの評価に反映する。

RUNWAY channelのファンを増やす施策を加速

古田:最後に、「RUNWAY channel」を今後どのように進化させていくのか、抱負をお聞かせください。

北島様:「RUNWAY channel」で繰り返し買い物をしてくださるファンを増やすために、さまざまなサービスを準備しています。

古田:どのようなサービスを準備しているのか、可能な範囲でお聞かせいただけますか?

北島様:例えば、「RUNWAY channel」の限定商品やノベルティの提供など、ブランドのファンに喜んでいただける企画を展開していきたいです。

古田:「RUNWAY channel」のファンを増やすには、顧客とのコミュニケーションツールとして公式アプリの役割も重要になりそうですね。

北島様:そうですね。
現在は店舗スタッフがお客さまにアプリをご案内するなど、店頭でもダウンロード促進に取り組んでいます。アプリのアクティブ率を高めるために、ログインボーナスでポイントを付与するなど、さまざまな施策も打ってきました。

今後はアプリを軸に「RUNWAY channel」と店舗のどちらで買い物をしても、お客さまにメリットが生まれる仕組みも構想しています。

古田:例えば、どのような仕組みになりそうですか?

北島様:店舗とECの共通ポイントをノベルティに交換できるサービスなどを計画中です。また、「RUNWAY channel」と店舗での購入金額などに応じて会員ステージを設け、ステージが上がると特典が得られる機能をアプリに実装するなど、お客さまに喜んでいただけるサービスを作っていきたいです。

2023年から2024年にかけて、こうしたファンづくりの取り組みを強化する計画です。ECシステムの開発にも関わってくる部分ですので、AMSにもお力を貸していただきたいです。

古田:もちろんです。これからもマークスタイラー様のEC事業を伴走させてください。本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

(写真右)MARK STYLER株式会社 EC本部本部長 北島健一様
(写真左)株式会社AMS 常務取締役 古田俊雄

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