アルページュが取り組む 顧客体験価値の作り方(前編)~コンテンツ強化と在庫一元化でOMOを推進~
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アルページュが取り組む 顧客体験価値の作り方(前編)~コンテンツ強化と在庫一元化でOMOを推進~

株式会社アルページュ

株式会社アルページュ

専務執行役員 野口英男 様

「Apuweiser-riche(アプワイザー・リッシェ)」、「JUSGLITTY(ジャスグリッティー)」、「Rirandture(リランドチュール)」、「Mystrada(マイストラーダ)」、「CADUNE(カデュネ)」、「Arpege story(アルページュストーリー)」のレディス6ブランドを展開し、主要都市部を中心に約30店舗を運営するアパレルメーカー、株式会社アルページュ。コロナを機に情報発信の起点としてECサイトのメディア化とコンテンツ強化に力を注ぐだけでなく、OMO推進のために在庫の一元化も実施。EC化率40%、ここ10年でEC売上高10倍超まで成長させたアルページュのOMO戦略について、専務執行役員野口英男様のインタビューをお届けしていきます。

公式オンラインショップ「Arpege story」では、「Apuweiser-riche(アプワイザー・リッシェ)」、「JUSGLITTY(ジャスグリッティー)」、「Rirandture(リランドチュール)」、「Mystrada(マイストラーダ)」、「CADUNE(カデュネ)」、「Arpege story(アルページュストーリー)」の6つのブランドを販売

自社ECサイトは情報発信の起点

古田:本日はEC事業について、これまでの取り組みと成果をお聞きしたいのですが、まずは、アルページュ様が手がけている事業について、あらためて教えていただけますか?

野口様:弊社は「Apuweiser-riche(アプワイザー・リッシェ)」、「JUSGLITTY(ジャスグリッティー)」、「Rirandture(リランドチュール)」、「Mystrada(マイストラーダ)」、「CADUNE(カデュネ)」、「Arpege story(アルページュストーリー)」の6つのブランドを展開しているアパレルメーカーです。実店舗は30店舗超、ブランドごとに出店しているほか、すべてのブランドを取り扱う「アルページュストーリー」も2014年から展開しています。

自社ECサイトについては2012年に、AMSのECプラットフォーム「PRAMS EC(プラムスイーシー)」を導入し、公式オンラインショップ「Arpege story」を立ち上げました。そこから約10年でEC売上高は当時の10倍以上となり、2022年度のEC化率は約40%まで拡大しています。

古田:どうやって、ここまで売上を伸ばし続けられているのか、詳しくお取組みについてうかがいたいのですが、特にコロナ禍を境として、ここ数年はどのようなことに注力されましたか?

野口様:この数年で強化した取り組みが2つありまして、ひとつは、自社ECサイトをメディア化し、情報を発信していくためのコンテンツの強化とライブ配信。もうひとつは、OMOを推進するための在庫の一元化になります。

古田:公式オンラインショップ「Arpege story」では、コンテンツがとても充実していますね。

野口様:公式オンラインショップは「情報発信の起点」と位置付けています。商品を売るだけでなく、コーディネートや動画、ニュースなど、さまざまなコンテンツを発信することで、会社やブランドのことを消費者に知っていただくきっかけを創出しています。

古田:ECサイトをメディアとしても運用されているんですね。

野口様:おっしゃる通りです。ECサイトを単なる販売チャネルと捉えるのではなく、ブランドストーリーを発信していくメディアとして運用することが重要だと考えています。

ライブ配信は毎週約30本

野口様:商品のことを理解していて、接客にも長けている店舗スタッフがいることは、弊社の強みです。その強みを活かすために、店舗スタッフのコンテンツを強化してきました。特にライブ配信は、コロナ禍で店舗の営業を自粛した2020年春以降、お客様に対する新しいアプローチ方法として力を注いできました。現在はブランドごとに、それぞれ週5~6回ほど配信しており、すべてのブランドを合わせると毎週30本近くを配信しています。

古田:ライブ配信を毎週20本近くとは、すごい数ですね。配信方法や出演者の決め方などを詳しく教えていただけますか?

野口様:Instagramのライブ配信機能を使い、本社のスタジオや店舗から配信しています。配信するスタッフは得意・不得意なども考慮しながら、ブランドごとにある程度固定しています。

公式オンラインショップ「Arpege story」ではライブ配信のアーカイブも掲載

古田:ライブ配信の内容は、本社主導で決めるのでしょうか?

野口様:コンテンツを配信するタイミングに合わせて、発信する店舗スタッフがスケジュールを組んでいます。その上で本社の企画やプレススタッフと情報を共有して、どの商品を出すのか、どこで撮影するのかなど、内容を決めています。商品の着こなし方や、選び方を紹介することもありますし、新商品を告知することもあります。ブランドごとの人気商品ランキングや、売り切れた商品の再入荷のお知らせなど、その時々でお客様が知りたい情報を伝えています。

ライブ配信への集客方法は?

古田:ライブ配信の際には事前にしっかり台本も作っているのでしょうか?

野口様:ライブで話す内容について、あらすじは事前に決めておきますが、細かい台本までは作っていません。配信中に視聴者から寄せられたコメントにも回答するなども含め、出演者がその場で対応しています。私から現場に伝えていることは、購入までの導線を考えてほしいということ。ライブ配信の主な目的は商品を売ることですから、新商品の販売計画やセールのスケジュールなども踏まえて、その時に伝えるべき情報がお客様に届くように、内容を考えてもらっています。また、Instagramには決済機能が備わっていませんので、購入を希望する視聴者にはダイレクトメッセージで商品詳細や公式オンラインショップを紹介することもあります。

古田:ライブ配信の課題として、視聴者を集めることに苦労するという声も聞きますが、視聴者はどのように集めているのでしょうか。

野口様:ブランドごとにInstagramのアカウントを運用しているので、主に、Instagramの公式アカウントでライブ配信を告知しています。ちなみに、ライブ配信の視聴者数は、内容や配信時間などによって異なりますが、平均すると1本あたり数百人の方が視聴してくださっています。

株式会社アルページュ 専務執行役員 野口様(写真左)と株式会社AMS 常務取締役 古田(写真右)

店舗スタッフの自主性を尊重

古田:毎週30本近くも配信するには、店舗スタッフの方のモチベーションを引き出すことも重要になるのではないでしょうか。

野口様:視聴者の人数や、配信中に寄せられるコメントなどが励みになっているようです。ライブ配信の視聴者が店舗に足を運んでくださり、「ライブを見て、会いにきました」とおっしゃってくださることもありました。そういった経験もモチベーションにつながっていると思います。もちろん人事評価にも反映しています。ライブ配信で紹介した商品の売れ行きが伸びるなど、成果が出たら、そのことも出演者にフィードバックしています。

古田:人事評価にも反映しているんですね。

野口様:ライブ配信に限らず、仕事に対して適切に評価することは、モチベーションを引き出す上でも重要です。ただし、ライブ配信の出演に関しては、店舗スタッフの自主性を尊重しています。本人の意思に反してライブ配信に出演させれば、おそらく、その雰囲気が視聴者に伝わってしまうでしょう。店舗スタッフ自身が、お客様に伝えたいことがあるから、ライブ配信を行うんです。そこがブレないように、現場の店舗スタッフたちの意思統一を図っています。

ライブ配信ができるスタジオを併設した店舗を都内にオープン

古田:今年7月に、配信スタジオを併設した店舗「ARPEGE SALONE(アルページュ サローネ)」の1号店を東京・新宿、丸井にオープンしましたね。

野口様:「ARPEGE SALONE(アルページュ サローネ)」は、複数のブランドを取り扱っているという意味では「Arpege story(アルページュストーリー)」の店舗と同じですが、最大の違いは、営業時間中に店内の配信スタジオで、店舗スタッフらによるインスタライブを配信することです。撮影スタジオは来店してくださったお客様が収録の様子を見ることも、時には参加することもできます。買い物とライブを融合した、新しい体験を提供してきたいと考えています。

配信スタジオを併設した店舗「ARPEGE SALONE(アルページュ サローネ)」をオープン

後編では、コロナ禍で強化したもうひとつの施策売り逃しを防ぎ、業務効率化も実現するOMOの基盤づくりについて、引き続き野口さんにお話しを伺っていきます。

SERVICEサービス紹介

AMSではOMOに特化したソリューションをご用意しています。データ統合や在庫一元管理など、EC・店舗・モールを連携し、売上と顧客体験の向上を実現します。

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