NEWS 2018.11.29
2018年9月7日&11月16日開催セミナーレポート

セミナーレポート

2018年9月7日および11月16日、株式会社シーアールイー様(以下、CRE様)主催の第48回シーアールイーフォーラム(於:東京)・第6回シーアールイーフォーラム in 大阪にて、株式会社SHIBUYA109エンタテイメント 沢辺 亮様と、弊社村井・古田による『これからの小売業の成功に必要な「ロジック・戦略・先端技術」』セミナーを実施致しました。当日のレポートをご紹介させて頂きます。
なお、各両開催日とも多くの皆さまにご来場いただき、心より御礼申し上げます。

第1部 「最先端デジタル技術」と「商・売・人・人・価」で小売業の未来を拓く

 

・商売の基本的な法則-「商・売・人・人・価」

商売には、考えるべきことの順番があります。それは「商・売・人・人・価」です。

店舗運営で最初に考えるべきことは、「商」です。「商」とは、よい商品と品ぞろえ、及び商品に対するロジスティクス作り、サプライチェーン作りです。

2番目に考えるべきことは「売」で、良い売り場作りです。3番目は「人」、従業員に対する教育です。4番目も「人」で、こちらはお客様に対する販売促進です。ここまでできた上で、最後に5番目として「価」、セール等での価格の引き下げについて考えます。

商売において、値下げは最後に考えるべきことで、「商・売・人・人・価」の順番を間違えた商売は失敗します。

 

・最新デジタル技術の導入

「商・売・人・人・価」という商売の基本原則を踏まえた上で、私たちは、それぞれの場面でデジタル技術を導入しています。

例えば、1番目の「商」の部分では、弊社はRFID(ICタグ)による入荷・出荷・検品をするための機器を開発し、自社倉庫での運用知見をもとに外販しています。

また4番目の「人」の部分では、接客ツールとしてのデジタルサイネージの中身(アプリケーション)を作っています。

 

・在庫の一元化

ロジスティクスの分野で1点申し上げておきたいことは、店舗とECの倉庫=在庫を一元化し、先進的な在庫管理システムの導入によって、無駄をなくしてほしいということです。現在、どの分野の商売でも、店舗販売とECの両方を行っているところがほとんどだと思いますが、店舗とECの在庫を分けているところが多いです。商売においては、少ない在庫で最大の売上げを上げることが重要なので、店舗とECの倉庫をまとめていただきたいと考えます。

 

= 株式会社AMS 代表取締役会長 村井 眞一 =

 

 

第2部 若者を取り込むSHIBUYA109のデジタル戦略

 

・SHIBUYA109のブランドステートメント

SHIBUYA109ブランドの事業理念は「Making You SHINE!」です。若者の今を輝かせ、夢や願いを叶えるために、「場」を提供するだけでなく、「新しいカルチャーを生み出していくこと」を目指しています。

 

・オムニチャネル戦略

109での具体的な戦略としては、現在、オンライン(EC)・オフライン(リアル店舗)問わず、あらゆる場所でお客様との接点を持つというオムニチャネル戦略を推進しています。

 

・サイトリニューアル

私たちは2016年に、オムニチャネル戦略の1つとして、公式サイトとECサイトのリニューアルを行いました。一般的なショッピングセンターのサイトにはショップの紹介はあっても、商品説明はありません。しかし、リニューアル後の109公式通販サイトは、ECサイトとの連携によって商品の新着情報や人気ランキング等も見ることが可能になりました。

また、サイトリニューアルのプロモーションには、有名人ではなく、ショップの店員さんを使いました。手の届かない有名人よりも、身近な憧れの存在であるショップ店員さんの方が、若年層の共感を獲得しやすいです。その共感の増幅が、リアルのSHIBUYA109来館につながると考えています。

 

・若者マーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.」

109の顧客は若者ですので、若者のことをよく知っておかなければいけないと考え、今年の5月に若者マーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.」を設立しました。

具体的には、スマートフォンによるアンケート(首都圏女子調査)や、109館内で毎月100~200人に声をかけて実施するアンケート(SHIBUYA109ガールズ調査)、トピックに合わせセグメントした対象者を集めたグループインタビュー等を行っています。

これらの調査で得られた結果は、自社の商品開発やサービスに活かすのはもちろんですが、他の企業にも提供しています。私たちは、「SHIBUYA109 lab.」を通して、若者と企業や社会をつなぐ架け橋的な役割を担っていきたいと考えています。

 

・オウンドメディア「109ニュース」

また、私たちのオムニチャネル戦略の特徴的なものとして、オウンドメディア(自社所有メディア)「109ニュース」があります。こちらは、109ショップ店員や読者モデルたちがライターとなり、ファッションやトレンド、渋谷の街の情報などを発信するニュースサイトです。毎月120~150の記事を配信しているほか、「LINE NEWS」「SmartNews」等のウェブサイトとも連携して発信力を高めています。

 

109は、今後も、リアルとデジタルを融合させたオムニチャネル戦略を推進していき、若者の夢を叶えるお手伝いをしていきたいと考えています。

 

= 株式会社SHIBUYA109エンタテイメント オムニチャネル事業部 MDプランニング部 担当部長 兼 マーケティング戦略事業部 マーケティング戦略部 担当部長 沢辺 亮 氏 =

 

 

第3部 上海「最新ニューリテール」視察レポート

 

・最新の中国「ニューリテール」戦略~新しい小売のカタチ~

中国では、2016年にアリババグループのCEOのジャック・マー氏が、オンラインとオフラインを融合し、顧客に新たな体験を提供する新しい小売形態として、「ニューリテール」を提唱しました。

 

・中国小売市場の概観

現在の中国小売業の市場規模は、アメリカとほとんど同レベルで世界トップ規模です。しかし、オンライン(EC)市場は、アメリカの2倍程度=世界最大の市場となっており、EC化率は世界でもトップクラスです。

 

・なぜ今「ニューリテール」か?

中国でニューリテール戦略が進められるようになった背景のひとつに、EC市場の伸び率の鈍化があると考えられます。中国のEC市場は、2012年は年率33%ぐらいのペースで続伸していましたが、2016年は5%ぐらいの伸びにとどまりました。新たなオンラインユーザーを獲得することが難しくなってきた状況で、次は実店舗をデジタル化し、より良い顧客体験を提供することで、実店舗ユーザーをもっと融合していこうという意図や背景があるのではなないかと考えられます。

 

・ニューリテール戦略の具体的な視察例

中国で展開されているニューリテール戦略の中で、今回上海で視察したいくつかのの例を紹介します。

 

・無人店舗

私が上海で視察した「無人店舗」の事例をご紹介します。店舗入り口のゲートでQRコードをかざして入店すると、顔認証を行うために自動的に顔写真を撮られます。次に、店内の棚に並んでいる商品から欲しい商品を選び、ゲートを通って店外に出るとレジを通さずとも決済が完了し、お買い物終了となります。QRコードと顔認証で個客を特定し、カメラ/センサーを使って画像認識などで、手に取った商品を認識させることで、無人化を実現しています。

お店を出た後に購入した商品の内容がスマートフォンに届くのですが、私の場合には実際に買った商品と一部異なるものが混じっていました。

このように、まだまだシステム・制度としては完璧ではないものの、様々なトライアルが小売現場で活発に実践されているということが、中国の現状です。

 

・事前予約オーダー

もう一つ事例をご紹介します。商品をアプリ上で事前にオーダーして、出来上がる時間にとりに行くことができるコーヒーショップがあります。この店舗は、リアルタイムでコーヒーをつくっている動画をアプリ上に表示するサービスも提供しています。

 

・小売業の変革

今回視察してきた店舗やサービスは、我々の想像を超えるようなものはなく、粗削りなものが多かったですが、机上の空論だったアイデアが具現化しつつあり、急速に実際の生活に溶け込み始めていることは事実です。また、多数の企業が急速にブラッシュアップをしているのが中国における小売業界の特筆すべき点だと思います。

オムニチャネルにしても、ニューリテールにしても、今後もオンラインとオフラインを融合させた小売業の新しいカタチは発展していくと考えます。

 

= 株式会社AMS 執行役員 マーケティング本部 本部長 古田 俊雄 =

 

 

今後ともみなさまの、業務に役立つセミナーを企画してまいります。宜しくお願い致します。