CASE STUDY 2016.03.17
我が社にとってのAMS
〜AMS Work Case vol.3〜

EC売上3倍はあくまで通過点。システム改革に伴い社内意識も変化。「のびしろ」はさらに大きくなる。

惠山株式会社
第3事業本部 本部長 山川智史様

※惠山株式会社 山川本部長(右)と、弊社AMSマーケティング部 猪首部長(左) 惠山様本社ショールームにて

ROYAL PARTY、SPIRALGIRLなど5つのアパレルブランドと、国内外の商品をコーディネートしたセレクトライン「Roomy’s」を運営する同社。現在AMSとは「Roomy’s」のECサイトを中心に、顧客一元化に伴うポイント連携や、自社ブログなどECと連携したO2Oソリューションも行っています。その惠山株式会社のEC事業全般に加え、広報・PR等も統括する、第3事業本部の山川智史本部長にお話を伺いました。

EC売上は3倍だが、まだのびしろは大きい

— AMSが本格的に御社の事業に携わってから約4年経ちました。その結果、ECの売上が約3倍にのびています。この要因はどこにあると思いますか?

山川さん(以下 山):数字で見るとインパクトがあるように感じますが、正直、もっと結果が出てもいいと思っているぐらいです。この要因は、残念ながら弊社の力というよりも、EC市場の拡大という時代の流れと、AMSの力にあると思っています。ここ数年でのアパレルのECによる売上が伸びる中、正直、弊社のECシステムではお客様のニーズに対応しきれず、機会ロスが生まれていました。そのロスがAMSのおかげで解決できたということです。

—では今後、もっとECでの結果が出ると思っていますか?

山:今後の時代の流れにもよりますが、「のびしろ」はまだ十分あると私も思っていますし、多分AMSもそう思っていると思います(苦笑)。その「のびしろ」を一緒にどうのばしていくかを、AMS担当の猪首さんを中心に、日々相談しているところです。 AMSがパートナーになってから4年ですが、まだまだ我々がAMSの提案に対応しきれていない部分があります。要は、弊社内の要因で商品の持つ力を100%発揮しきれていないということです。それはシステム的な部分というよりも、組織や売り場など人的な部分のほうが強かったと思います。そうした要因を解決しながら、2014年からは顧客一元化に伴うリアル店舗とECのポイント一元化を行い、2015年からはブログによるO2Oソリューションの推進など、ECだけでなくリアル店舗との連携体制を強化してきました。そのために最も重要なのは、在庫一元化です。その土台がしっかりと構築できれば、ECはもちろん、リアル店舗も含む会社全体の売上がさらに向上すると思っています。

AMSの助言から自社の課題が明確に

— AMSをパートナーにする前の御社の課題はどこにありましたか?

山:先ほども話した通り、ECにおいてお客様のニーズに対応しきれなかったこと、具体的には受注に対し在庫を用意できず、機会ロスを出していたことです。 弊社では、2007年から私を中心にEC事業を本格化しました。その後セレクトショップの新業態「Roomy’s」立ち上げを行い、そのECサイトもスタートさせたのですが、当時はリアル店舗の在庫とは別に、「Roomy’s」分の在庫を確保し、EC受注に対応していました。当時はまだ現場でのEC在庫に対しての理解も薄く、ECへ在庫を回す数は限られ、受注はあっても対応しきれない状況でした。その状態を改善し、ECの売上を伸ばすには「Roomy’s」のリアルとECの位置付けを切り分けなければならないと感じ、EC

 

はブランド在庫からの直通販の窓口、いわばブランドの「モール化」をしていこうと考えました。その仕組みづくりは、当初のパートナーは他社でしたが、2012年からAMSにお願いするようになりました。

— AMSが関わるようになって、どのような変化が出ましたか?

山:AMSはアパレルに特化したECシステムに強く、さらに在庫管理や物流に至るまで、フルフィルメントで対応できることも特徴ですよね。その視点でいろいろ相談させていただいたのですが、すると次第にECだけでなく、弊社の事業システム全体の問題点が浮き彫りになってきました。

弊社はそもそもSPA(製造小売業)を行ってきた企業ではなく、POS管理や基幹システムなど、現在のSPAに適した設計ではありませんでした。それをカスタマイズしてECシステムを付け足している状態でした。また、当時はブランドごとに在庫も顧客も管理していましたから、ブランドごとにできることとできないことが存在していました。なので、システムだけでなく、業務全体の工程も含めて見直し、システムを一から再設計する必要がありました。非常に面倒な状態だったと思いますが、AMSは粘り強く社内の体制も含めて把握し、我々の事業に沿った提案をし続けてくれました。

また、弊社はアパレル業界でも特に古い体質が残っていて、ブランドごとに顧客を持つイメージが根強く、社内全体で顧客を一元化すること自体、理解しづらい状況でした。しかしご存知の通り、時代は着実にECの需要が拡大し、ブランドにとどまらず複合的に顧客を囲い込む必要が出ています。その社内の組織にまで踏み込み、ECの売上の数値と他の事例などを盛り込みながら、丁寧に意識を変える努力をしてくれました。特にAMSの担当者が、在庫の権限を持つ各ブランドの事業部長クラスへ粘り強く働きかけてくれたからこそ、ECシステムは機能し、在庫のロスが減り、売上アップにつながっているのだと思います。

社内の意識改革でお客様目線が浸透

— ECシステムの刷新に加え、ここ数年は先にも触れたとおり、顧客および在庫の一元化、O2OソリューションなどもAMSと協働で行っています。そのなかでの変化はありますか?

山:社内の意識がさらに変わってきましたね。弊社に限らず、アパレル業界では未だに店舗売上が優先され、EC売上は他人事、という意識も根強くあります。しかしインターネットが発達し、SNSとも連動した情報収集が定着している現在では、店頭で売れることは単に店舗の接客販売力にとどまらず、広告戦略により構築されたブランド力、さらにはインターネットなどの口コミ情報などが複合的な要因となり、結果につながっていると考えるのが一般的です。

そこでもやはり、AMSの担当者の存在は大きいと思います。アパレルのECシステム全体に精通しているだけでなく、それ以外の分野にも知見が広く、どんな質問や相談に対しても、即座に回答できる引き出しの多さがあります。知識だけでなくスピード感がある点も、経営戦略を決める事業部長たちから評価され、信頼を得ています。 現在は月2回の定例会を行い、各ブランドの事業部長との会議に出てもらい、売上数値から戦略までを語り、O2Oによる全体売上の強化の重要性を啓蒙してもらっています。また、単に数字を出すだけでなく、その数字を元にした計画づくり、業務フロー作りまで考え、提案いただいています。さらにはそのための組織にまで踏み込んで考えてくれる。実際、彼らの提案で社内の組織や評価制度も現在変えつつあります。

— 社内の雰囲気が大きく変わりつつあるようですね。

山:お客様目線が、より明確化したように思います。例えばブログにしても、店舗スタッフは基本的に真面目で、ファッションが好きだから、ブログは真面目にこまめにアップします。ただし、それが本当にお客様が欲しい情報かどうかは違うことも多い。それは情報が一元化されたシステムであれば、ユーザー視点の情報が何であるかが具体化します。そうすることで、どうすれば結果につながるかを考え、ブログに掲載する写真や文章の内容を考えるようになる。単に店頭の売上だけでは見えてこない、広い視野での顧客の声が見えることは、O2Oの大きな成果だと思いますね。

土台作りは「越境EC」にも通じる

※やさしい表情の山川本部長にお褒めの言葉を頂き、照れる猪首。惠山様本社ショールームにて

— ここ数年の取り組みにより、さらに「のびしろ」が大きくなりそうですが、これから新たに取り組みたいと思うことはありますか?

山:まずは在庫、顧客データの一元化をさらに安定したものにすること。これらはまさに弊社の土台となります。そしてそれを元にECサイトやブログ、さらにはアプリなども開発し、お客様目線でもっと使いやすいインフラを構築し、在庫ロスも減らしながらさらなる売上拡大につなげていきたいと思っています。また、こうしてECシステムが定着してきたことに加え、EC主流の時代の流れも考慮し、これまで注力してこなかったウェブ広告も強化していこうと思っています。さらに、顧客管理ができたことで、CRMによる個別のニーズにまで応じたメルマガなどの販促体制も強化したいと思っています。ただ、こうした戦略は以前からAMSは提案したいと思っていたはずで(苦笑)、我々がようやくその準備が整ってきたというところです。

一方で、自社でできることも改めて整理しなおす時期に来ていると思います。例えば、これまではECフルフィルメントも対応できることから、EC用の写真撮影はAMSにお願いしていたのですが、2016年からあえて内製化することにしました。というのも、社内スタッフの意識も変わり、よりブランドの特徴を生かしたEC写真を掲載したいという声が強まってきたため、AMSの担当者とも相談し、決断しました。自社ブランドの特徴を最も知っているのは、やはり所属するスタッフ自身。手間や労力はかかりますが、写真は間違いなく変わりましたし、何よりスタッフたちのモチベーションがより高まった気がします。

— こうした取り組みは、当然ながら今後の御社の戦略も大きく関わってきますよね。

山:ここ数年でEC市場が大きく拡大したように、近年も我々を取り巻く状況は激変しています。正直、ガールズアパレルは競合も多く、ファストファッションの台頭もあり、特に国内市場は非常に厳しい状況です。そのなかで、何を出せば売れるかという情報は、これまで以上に重要な要素となります。しかしAMSとの取り組みにより、顧客データの一元化ができたことで、受注ベースのニーズが数値化できるようになりつつあります。それに対応しうる受注システムの構築を目指し、厳しい状況を戦っていきたいと思っています。

一方で、アジアを中心とした海外市場では、弊社の取り扱う「ジャパニーズガールズアパレル」は非常に注目され、近年のインバウンド効果も相まって、実際高い売上を達成しています。いわゆる「越境EC」戦略においても、AMSと作り上げたシステムは大きな力を発揮すると思っています。現在、弊社ブランドの製造は7割が中国ですが、現在は日本に輸入してから再び中国などに出荷するという非効率な物流をしています。それをダイレクトに現地に配送すれば効率よく、コストも下げられるわけですが、そのためには顧客や在庫の一元管理は必須です。まだ改善の余地はありますが、その土台はすでに構築できつつあると思うので、こうした「越境EC」にも対応できるシステム構築を、AMSと相談しながら進めていきたいと思います。

— ありがとうございました。

【恵山株式会社】
所在地:東京都渋谷区道玄坂1-16-5
設立:昭和52年年6月
代表者:代表取締役社長 沖山 英嗣
事業内容:
婦人服の企画・製造・販売及びユニフォーム
縫製・加工業務
映像写真制作業務
URL:http://keizan-group.co.jp/