CASE STUDY 2019.06.21
我が社にとってのAMS
〜AMS CASE STUDY vol.4〜

自社ECサイトプラットフォームを持ちながら、
なぜOUTLETのみAMSプラットフォームを選んだのか?
〜株式会社アーバンリサーチ〜

株式会社アーバンリサーチ
執行役員
事業本部 WEB事業部
部長 坂本 満広 様

(聞き手)
株式会社AMS
営業本部 SalesSolution1部
部長 高橋 俊彦

2016年10月にアウトレット専用のECサイトを立ち上げた株式会社アーバンリサーチ。プロパー商品のECサイトを自社内製にてプラットフォームを作り上げた同社が、なぜアウトレットECではAMSをパートナーとして選んだのか。ECの黎明期から携わられている事業本部 WEB事業部の坂本満広部長にお話を伺いました。

ブランドごとの在庫を一元管理する必要があった

―アパレル業界としては、かなり早い段階からECに取り組まれていました。

坂本様(以下、坂本): 2002年ごろから「今後はECが新たな販路になるだろう」という弊社代表の考えと、社風としての「新しいことはまず自らやってみよう」という考えもあり、当初は月数万円程度で利用できるASPのレンタルカートを使いながら、EC専用在庫は持たずに店舗にある在庫を引き当て対象とし、店舗スタッフが日々撮影、毎日注文が入るとデータを集計して各店舗へFAX、その内容を受けて各店舗在庫をチェック。大阪中にあった店舗のなかで、在庫のあった=引き当て店舗を私が車で周りピッキング、梱包、送り状、出荷、発送データ&サンクスメールを顧客へ送信、さらには返品交換までのCS対応も行っていました。

―アパレルECの黎明期に内製、というより坂本さんご自身で一から始められたんですね。

坂本:とにかくやってみようということから始めたので、外部に委託するという考えもありませんでした。それに実際にやってみると気づきも多かったんです。私自身、バイヤーや店長もやってきたので、ECもリアル店舗や対面販売がないだけで、CSの部分も含めてほとんど変わらないと。

それ以上に、お客様の購買履歴がデータとして残ることの大きな価値にすぐに気づきました。それまで店舗では、同じような顧客データに関するような事柄はノートに書き込んだりしていましたが、ECではダウンロードするだけで何百とデータが取れる。これは内製してノウハウとデータを自社に貯めるべきだと思いました。2002年ごろから初めたECサイトでしたが、WebデザインやHTML知識がある社員1名、運営は自分1人で対応する体制で2004年に本格的なECとして稼働し始めたのです。

―その後、EC自体の売上げはどのように推移したのでしょうか。

坂本:初年度は数千万円、翌年には1億円を超え、3年後の2007年頃には約5億円、その後も8億、10億といった右肩上がりの伸び方でした。その頃も少人数でやっていたわけですが、最初から5億円も売るようなサイトを作ろうとしたら知識も100や1000は必要でしたが、1から1つずつ積み上げたので自社でできたんでしょうね。

―2016年に弊社AMSもご協力させていただき、アウトレットECを立ち上げましたが、それ以前、在庫に関してはどのような課題があったのでしょうか。

坂本:EC同様に各ブランドの売上も堅調で、リアル店舗も増えていきました。当然、商品数も増えていきますが、在庫も増えます。ところが、店舗の在庫管理はブランドごとに別々の倉庫で行っていました。実際の在庫の運用について各ブランドに聞いてみると、倉庫に入ったまま半年は寝ているといった状況でした。

それはあまりにももったいないので、在庫を一箇所に集めて、一元管理した上でネットで売れば、少しでもお客様の目に触れるだろうと。それが元々の発想でした。そこからアウトレットのECを立ち上げるということになったのです。

―リアルのアウトレット店舗は、どのような立ち位置だったのでしょうか。

坂本:もちろん、キャリーの在庫をアウトレットで販売していました。ちょうど、三井さんなどアウトレットモールを拡大していた時期とも重なり、その流れに乗って弊社も出店を続けました。しかし、リアルアウトレットはその時点ではデータマーケティングなどを活用する場にはなっておらず、とにかく“残り物を何としても売る”という考えでした。

それに加えて、当時のアウトレット店舗向け在庫には、SKUにものすごい偏りがありました。大きいサイズのみとか、赤しかないとか。複数のブランド商品をアレンジして今期の売れ筋を組み合わせる事によって、SKU偏在の解消とともに、各シーズンのトレンドアイテムをカバーしたわけです。

パートナーに求めたのは、システム開発力はもちろん、ヒトの魅力

―アウトレットECを立ち上げるにあたり、どのようなことが求められたのでしょうか。

坂本:まずトータルでサポートしてくれるパートナーを探しました。なかでも重視していたのが、これまでの実績です。在庫を一元化する倉庫は決まっていましたので、その倉庫会社との協業実績、それから在庫管理システムなど、倉庫との連携部分も特に重要です。

ただし、これまで外部に委託した経験から感じていたのは、システムの部分がしっかりしていても、コミュニケーション力がないとダメだということ。つまり「ヒト」の部分がとても大切だということです。

―AMSを選んでいただくにあたり、ご評価いただいたポイントについてお聞かせください。

坂本:まず、システム開発力の高さがありました。私が実現したいと考えていたシステム構想に対し、迅速に理解し、的確なご提案をいただけました。さらに当プロジェクトの肝となる倉庫会社との豊富な協業実績もあり、連携がスムーズに行くことも確認し、十分に新たなアウトレットEC事業を回せると感じていました。実際に在庫回転数を保ちながら、利益をキープするという目的に沿うシステム環境を構築してもらっています。

そして、ヒトの部分についても、お会いする方皆さんが、システム分野に留まらずEC事業に必要な幅広い知識を熟知しているため、全体的にコミュニケーションが取りやすく、対応は常に迅速で安心感を持ってサポートしてもらっています。担当の高橋さんの人柄によるところももちろんですが、おそらく社風だろうと思うことがあります。

というのも、今も定例ミーティングの時間を設けていて、単にこちらが要望を伝えるのではなく、提案型で一番いいもの、新しいことを作っていくという姿勢に溢れていて、それはAMSの村井会長のお人柄がそのまま高橋さんをはじめスタッフの皆さんにも受け継がれているように思えるからです。

―既にプロパーのECは内製し安定稼働されていた中、アウトレットEC事業を新たな外部ベンダーであるAMSに委託したのはなぜでしょう。

坂本:そこも弊社の「まずはいっぺんやってみよう」という社風があったからです。やろうと思えば、アウトレットECも内製できたと思います。ただ、自分たちでできるということは、新たな外部ベンダーに委託した時も、何をやっているかがわかります。ノウハウがなければ、場合によってはミスがあっても見抜けませんし、言うなりですからね。

ただ、これからの時代、世の中の仕組みはもっと大きく変わっていきます。そうしたなか、すべて自社でやろうという時代も終わり、これからは同じ方向を向いて行ける優秀なパートナーと一緒に、共創・共有していく時代。もう競争ではなく、共創し一緒により良い物を作っていかないといけないと思っています。

「アウトレット」が会社に利益をもたらす方法

―ブランドにおいて、「アウトレット」をどのように捉えていますか。場合によっては、安く商品を売ることで、プロパーブランドの価値観が損なわれるという考えもあるかと思います。

坂本:プロパーのECサイトはアクティブユーザーの割合がとても高く、コアなファンの方々にご利用いただいています。アウトレットは、ブランディング目線としては少し違いますが、より広い日本中の各世代層のお客様へのアプローチ手段と考えています。そのため、プロパーECとアウトレットECはドメインを別にして、アウトレットECでは販促を変えています。ゲームを取り入れたり、タイムセールやLINEメールは頻繁に送るなど、1年中お祭りのようにやろうと。

株式会社アーバンリサーチ 公式アウトレットサイト
https://www.ur-outlet.jp/

その一方で、ブランドの価値や会社のイメージというものは、しっかりと丁寧に醸成しています。例えば、リアル店舗などはお客様とのタッチポイントが一番大きいですから、当然、接客レベルも上げますし、ブランド価値を上げる努力を続けています。ですから、アウトレットがあってもブランド価値を傷つけることはないんです。

―アウトレットECを立ち上げたことで、他にも何かメリットはあったでしょうか。

坂本:アウトレット商品は、どうしても“残り物”扱いされてしまいます。だから、とにかくなくせと。ところが、どんな商品にも原価があります。アウトレットECによって、データ管理をすることで、販売価格と原価率から日々の利益計算が細かくできるようになりました。

例えば、在庫が増えすぎて、倉庫代も考えると、この分だけは原価割れでも売ってしまおう、その代わり、別の在庫に関しては価格をキープして売って、しっかりと利益を出そうということが考えられるんです。

これまでアウトレット店舗では全部まとめて80%オフというように、利益計算もせずにざっくりと、単に売り切ることを目的としていました。ところが、データ管理することで日々の利益を見ながら、アウトレット商品ごとの売り方を変えることで、アウトレットが“利益の調整弁”として働くようになったわけです。

アウトレットでもしっかりと利益を確保するのは、ECによるデータ活用がなければかなり難しいと思います。アウトレットEC事業を展開することで、アウトレットでどれだけ赤字を出さず、なおかつ在庫を抱え込まずに効率よく回していくか、データ動向を把握しながら進めることでアウトレット事業での利益創出が可能になりました。

―最後に貴社の今後の展望についてお聞かせください。

坂本:弊社はファッションを通じたライフスタイル提案が特徴だと考えています。直近では、サーフィンのメインスポンサードや、音楽フェスやキャンプイベントなども主催しており、店舗とECで関連商品などを販売しています。ファッションだけでなく家具や食器、食品やコスメなども販売しており、さらに今後は、旅行なども商品として販売したいと思っています。そういった我々が考えるライフスタイルの提案を、店舗だけでなくEC、さらにはアウトレット業態においても展開していきたいと思っています。

それから、会社としてSDGsへの取り組みも強化しており、例えば、お客様が着なくなったダウンジャケットを店舗で集めて、リサイクルして新しいダウンジャケットに作り直したり、デッドストック製品のリサイクルに積極的に取り組んでおり、その内の一部をNPO法人に寄付しております。プロパーや店舗だけでなく、アウトレットECでも、そうした継続的な取り組みができるような仕組みを作っていきたいと考えています。

— ありがとうございました。

【株式会社アーバンリサーチ】

所在地:大阪府大阪市西区京町堀1-6-4 アーバンリサーチビル8F
設立:1989年11月8日
代表者:竹村幸造
事業内容:メンズ・レディースウェアなどの企画・販売・製造及び付随業務

・オフィシャルコーポレートサイト
http://www.urban-research.co.jp/

・公式アウトレットサイト
https://www.ur-outlet.jp/